モロッコでの生活、ほんで商売?


by keibunkin

困ったなあ、猫ちゃん。

いやあ、そんなつもりじゃあなかったのよ。

近所の絨毯屋に子猫がじゃれていた。
子猫なんてメディナの路地にはよく見るんだけど、この子猫は毛がむくむくしていて、「かわいかった」のよ。
「かわいかった」が不味かった。

「かっわいい!」と子猫に近づいた時、頭の中に天使と悪魔が現れた。
「やめとき、近づくのは。」
「見るだけよ。」
「次はさわってみたくなるよ。」
「やあ、割り切ってるから大丈夫よ。」

絨毯屋のおじさんも商売上手に話しかけてきた。
「もらったらどうだ?」、「ここの店にはおけないんだよ。」、「2匹いるんだ。」、「2匹とももらえ」、「黒とグレーだ」。

「やめとくよ。」
「私は旅行によく出かけるから、無理よ」

その間も「かわいい」とじっと子猫を見る私。
「かわいい」は罠よ。

おじさん、商売上手。

ああー、何故か「考えとくわ」と返事をしてしまった。とにかくその場を退散できてホット胸を撫で下ろす。

それから2週間後。
子猫なんて無理無理。
絨毯屋の前はなるべく通らんとこと。ほんでも通り道やから、そんなこともいかん。
あれから絨毯屋の前を通っても一度も子猫を見なかった。
しめしめ、そのまま子猫が早く大人になるように。

ジュース屋でジュースを飲んでいたら、
絨毯屋のおじさんがつかつかとやって来て、
「どうするんだ。君が貰って行かないと処分するよ。」
とベラベラベラベラ話している。
私はフランスが判らなくても、何を言っているのかよくわかった。

山口百恵の古い歌詞:
勝手に方を付けてよ、勝手に方を付けてよ、やってられないわ。

そして「うん」としかいえなかった。

あらまあ、どうするの?
家の近所には既に大きくなった1歳か2歳の猫がうじゃうじゃいるのに。
その猫は汚くていつも「うっとおしいなあ」と思っているのに、
なんで子猫はかわいいんだろう?
しかもこの子猫は超かわいい。

鼻から下と首が白色なので狐に似ている。また昔の泥棒みたいに鼻の下で頭巾を結んでいるようにも見える。
まあ、持って返れと言われたのでとりあえず、持って返った。

乗りかかった船だ。
早く家を完成させて、住み込みお手伝いさんを雇おう。

なんとか、なるのさ。
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by keibunkin | 2010-06-12 04:24 | えびす