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モロッコでの生活、ほんで商売?


by keibunkin

恋におちてモロッコー出会い編

マラケッシュに到着。

ここは日本で言うと関西は道頓堀、香港でいうと銅鑼湾。なんか活気があって、わくわくするねえ。まあ、言うて見ると恋の予感がするってことかしらん?

電車の駅で大きなリュックサックを担いだ2人組の女性バックパッカーがタクシーを探しているのに目が止まった。手にしているのはガイドブック。マラケッシュでの安宿情報が知りたくて私達は近寄って行った。泊まり先は決まってるの?メディナまでタクシーをシェアしませんか?と訪ねると二つ返事でOKしてくれた。

メディナに着き、いそいそと彼女達の泊まるホステルについて行った。彼女達が泊まるホステルの名前はEquity Point、スペインにあるホテル会社がオーナーだという。メディナの細い迷路のような路地をぐねぐねと中に入って行った。
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途中鼻っタレちびっ子共が小銭稼ぎに道案内させてくれとくっついて来た。イッチョマエにフランス語を話しやがるガキ共を適当にあしらい更に中に入って行くと、暗い路地の看板も呼び鈴もないドアの前についた。(ここがホテル?まるで秘密の隠れがみたい。)ドンドンとドアを叩くと、中から誰かがドアを開けてくれた。大きな古ぼけたドアの中に入ってびっくりしたのは、ボロボロな外観とは反対に、中は奇麗にお洒落に内装されていた。教会のようなアーチ型の高い天井、上が丸くパルナスの形にくり抜かれた柱、カラフルなモザイクタイル施された中庭の噴水と良く手入れされた植木、天井に吊り下がってあるモロッコランプ、一つ一つの家具や調度品がこの家の中の壁や床にシックリ相性良く溶け込んでいる。私はこのハイセンスにすっかり脱帽してしまった。

宿泊料金を聞いてみると1ベッドが18ユーロ。ラッキーにも部屋が空いていたので私達二人はここに一泊ステイすることにした。

さて、今回の旅行の最終目的地点マラケッシュに無事に到着したことを祝してまずは酒場を探しに。この近辺にはバーやお酒をおいてるレストランはないということなので、少し離れたグランドホテルタジンに行く。そのとき、日本語が流暢なハッサンに会う。(ハッサンはこの後もでてくる)

グランドホテルタジンでビールを注文。TVではスペインマドリッドとサウジアラビアとのサッカーの試合が放映されていた。TV観戦しているとどこからかビールをおごってくれた兄ちゃんもいた。ウェイターのおじさんもみんなニコニコしてくれた。隣のテーブルのモロッコおじさんと話をした。彼は明日からは砂漠とラクダの旅にでるという。「砂漠とラクダの旅?」と心ときめく私。話を聞くと3日間のツアーで、マラケッシュから出発、村や山を訪れた後砂漠でラクダに乗るという。早速イクちゃんに掛け合ってみたが本人はあまり乗り気ではなかった。ビール3本、ジントニック3杯のせいか、私はすっかり「行きたい行きたい」モード。必死の説得の甲斐無く、私一人がそのツアーに行く事になった。

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ということで、その日が二人の旅行の最後の日となってしまった。翌日イクちゃんはスペインに向かって電車に乗り、私は一人砂漠ツアーに出発するのであった。

翌朝私は6時におきて砂漠ツアーの集合所に行った。
14人乗りの4Wミニバンに揺られ、14人の団体一行は南に向かった。中年フランス人夫婦2人、アルジェリア仲良し男3人組、アメリカ人黒人女性とアルゼンチン白人の恋人2人、フランスに交換留学している香港人と台湾人4人。世界一周をしているジャーマン青年1人、カナリーアイランドの男性1人と私1人。そして運転手のモロッコ男性1人。

1日目、Ouarzazateという村に到着。ランチを済ませメディナ見学に。散策途中カナリ−アイランドのキャンデジャに遭遇。二人でカスバ(城)を見学。そして例のごとく絨毯屋さんに連れられて行った。

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その日の午後、イクちゃんよりテキストメッセージが送られてきた。「ナイスなガイドを見つけたので、いまから来る」と。突然の朗報にびっくり!何が彼女をその気にさせたのか?きっとそのガイドに秘密があると見た。しかしながら私達二人の間になんと誤解が生じてしまい、彼女は再びマラケッシュにユータンすることになってしまった。残念!


2日目、赤土のカスバ(城)やメディナを見るのもだんだん見飽きてきた頃、モロッコの畑を見学する事になった。ワインで使われるコルクや、アルファルファと呼ばれる緑色染料となる葉っぱ、ヤシの木に似たデイナ、大麦などなど。ちょっとした心温まるモロッコの田園風景だった。

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丸一日車に乗っていたが、夕方ようやく砂漠に辿り着いた。ラクダさん13頭が既に我々の到着を歓迎すべく砂の上に膝を折って座っており、口をもぐもぐ動かして待っていた。ラクダは私達を背中に乗せると颯爽と立ち上り、カレーパウダーのような砂漠の上を大きな脚で歩いて行った。我々はぐらぐらと身体を前後に揺らされ、振り落とされない様しっかりラクダにシガミツイていった。「あー、楽だー」なーんて誰がいったんだろう?

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1時間ほどゆたゆたと行進して、ようやくラクダが1頭ずつ膝を折ってしゃがんでいき、私達を砂の上に下ろしてくれた。側には分厚い絨毯でつくられたテントが立っていた。今夜はどうやらこの砂漠が私達の宿になるらしい。ラクダ使いのお兄さん達が夕食の支度を始じめてくれた。絨毯の上にキャンドルとタジン(土鍋)とパンがおかれた。中身はチキンと野菜の煮込み。みんなむしゃむしゃ鷲掴みで食べた。お腹もいっぱいになり絨毯の上に寝転ぶと、見上げれば満天の星。何百個、何千個、何万個もある星の砂。(こんなにたくさんの星があるんやから、きっとどれかは地球のような星があって、人間みたいな生き物がいるんだろうなあ。)がんばって流れ星を見ようっと目を凝らして空を眺めた。「あっ、星が動いてる」と思って願い事をすると100回唱えてもまだその星が見える。「なんぼなんでもこんなにスローな流星はないよなあ」と考えないして衛星であることに気がつく。なんだ残念。見ると他にも衛星がたくさんあった。

暗闇の360°の砂漠のトイレで用をすませ、テントの中から毛布を取り出し、私は一人絨毯の上で寝る事にした。空を見上げるとまぶしい満月がいつの間にか昇っていた。おかで満天の星がうっすら消えてしまっていた。

3日目。翌朝5時には目が覚めた。太陽が近いせいかあたりは既に明るくなっている。満月もまだそこにいた。しばらくして皆が起きてきた。一行は再びラクダの背中に股がって来た道を返っていた。

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車に乗ってマラケッシュに向かう。途中休憩した場所も素晴らしくハイセンスのホテルだった。

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行きに着た村Ouarzazateに一行は再び立ち寄った。私とカナリーアイランドのキャンディデで一緒にランチを食べに行った。そこでいろんな話を彼とした。彼は時間とお金を見つけては世界を方々旅してるらしい。14ヶ月も世界中を旅した事があるそうな。

彼が言った。
「もう誰も高くてヨーロッパなんて旅行しないよ。これから北アフリカだ。海があって、天気が良くて、労働力の安い北アフリカがこれからのリゾート地に変わる。」

私な何かモロッコでビジネスチャンスがあるかどうか考えてみた。あんなに素敵なホステルを見たんだもん。

その後、彼が持っているガイドブックを見ながらこれからの私の旅行計画を考えてみた。ここマラケッシュには4000m級の高い山がある。一人でふらっと行ってみようかと思ったが、ガイドが必須と言われた。ガイド料は1日50−60ユーロもする。

私が注文したミートスパゲッティがなかなか来ないので、レストランを出て水を買いに行った。埃っぽい道路を右に折れて店を探した。300m程歩いたが見つからずユータンしてきた。誰かが誰かに叫んでいる。誰かが道路の向こう側から私に叫んでいる。

「what are you looking for?」
「I m looking for water.」(ほっといてくれ、水を探しとるんじゃい)
「we have water here」

彼が立っている店の中を見るとペットボトルが山積みなっていた。
(ほんまや、水があるやんけ)
まんざら嘘でもないようだ。

私は水を買いにその店に入って行った。

彼「旅行者?どこに行くの?」
私「マラケッシュに戻る所。ツアーに参加してるのよ。」
彼「僕はペンキを手伝ってるんだ。近くにホテルがオープンするんだ。」
私「ふーん、ホテルね。あたし興味があるわ。マラケッシュに素敵なホテルを見つけたのよ。ホテルの事情について色々知りたいわ。」
彼「ぼくもこの村でホテルを経営してるんだ。小さいけどね。」
私「ふーん。」(奇遇じゃないの)
私「マラケッシュの近くに高い山があるって聞いたの。私行ってみようかと思ってるんだけど。あなた何か知ってる?」
彼の横に居た友達が「こいつは山のガイドなんだよ。」
私(ほんまかいな)
私「I am talking about a REAL mountain.」
彼の友達「山ならこいつに任せな。こつはロッククライミングのガイドをやってるんだ。」
私「ふーん。」(ほんまかいな)
私「ガイド料はいくらなの?」
彼「君ならタダにしておくよ。」
私「ふーん。」(タダより高いもんはなっていうで)
彼「この辺にはたくさんいい山があるよ。マラケッシュの山より奇麗な所をボクはしってるよ。マラケッシュに返らず、ここから直接行くといい。」
私「(一瞬そうしようかと迷ったが)残念だけど、やっぱりマラケッシュに帰るわ。」
私「あなたがマラケッシュに来るといいのよ。ホテルの話もしたいしね。」
彼「行きたいけど、仕事があるんだ。」

ここOuarzazateからマラケッシュまで260キロ。山道を車で行くと、片道6時間もかかる。

彼は考えているようだった。
by keibunkin | 2008-05-20 04:31 | モロッコ