モロッコでの生活、ほんで商売?


by keibunkin

耳が聞こえない!

それはモロッコでの事だった。

シャワーの後、何気なく綿棒で耳を掃除したときに、綿棒を取り出したら先っぽの綿が無くなっていた。冷やかしついでに行った夜のモロッコの病院で2時間ほど診療した結果「コットンなんか耳に入ってないよ。綿棒を引っこ抜いた時に先っぽの綿はきっと床に落ちていたんだよ」と医者に説得させられた。塩化ナトリウム用水を耳の中に入れ、チャプチャプと掻き回された後、「はい治療終了。お代は60ユーロなり」と高い治療費を取られた。耳がそれで直ればいいものの、返って調子が悪くなった感じ。なんかぶったくられたみたいやなあ。

その後、医者の言った「何も耳の中に入ってない」事を信じ、2.3日が経った。そうすると耳の違和感もかなり慣れてきたのかそんなに苦痛を感じなくなってきた。

モロッコからマドリッドに向かった。そこでヨークと再会。しかし、私達またまた大喧嘩を。神経がピリピリしてくると耳の違和感も増してくる。耳の違和感があるからこそ、神経を逆撫でしているのかもしれない。ゲップや欠伸をする度耳がキリット痛くなる。片方ずつ手で押さえて自分の声を発生してみると、やっぱり一方の耳の聴力は劣っている。そうなるとだんだん不安も増してきて心細く なってきた。耳が変になったのは精神的なもんではないかとヨークを逆恨み。まったく精神不安定患者だ。保険もあることやし、もう一度耳を見てもらおうとマドリッドの医者に訪れた。

最初に行った病院には耳の専門医はいないと言われた。保険会社に再度確認して別の医者を紹介してもらった。電話でアポを撮り、耳の治療が出来る事を確認してから行った。

オフィスビルにある一室のクリニックだった。ドアを開けると受付もない応接室一つと診療室一つの小さいクリニック。診療室も言ってもデスクが一つと椅子がそのデスクの両サイドに向き合った家具しかない。まるで校長室のような普通の部屋だ。ドアを開けてくれたのは60歳ぐらい白髪白人におじいさんだった。ブリティッシュ英語を奇麗に話す如何にも教養あるスペイン人とお見かけした。しかじかこうこうと耳の経緯を話すと、漏斗の形をした 耳の中を見る黒い拡大鏡を取り出してきた。おお、さすがスペイン、モロッコと違い専門治療器具をお持ちで(と言ってもそれ一つしかない)。私ってモロッコの一回の出来事でかなり医者に不信感をお持ちのようで。

医者がじっと私の耳の中を見つめ言った「何も耳の中には入っていませんね」。
ここでもモロッコの医者と同じ事をいう。綿棒は耳かすを中に押し込む可能性があり、私の場合もきっと耳のワックスが奥まで詰まって聞こえ難くなっているんだろうと。年齢40を越すと耳のワックスが石のように固くなりなかなか取り難くなるらしい。綿棒は今後一切使わず耳用の洗浄剤を注入しゴロゴロと耳たぶを使って掻き回し2・3日後温いお湯で洗い流してくれと。診療後、医者は親切にも薬局に付いてきてくれてその薬を購入してくれた。お代は治療費を含めしめて67ユーロなり。

私は言われた通りその液体薬を耳の中に入れ暫くしてお湯で洗い流した。しかし何も変わらない様子。

そうこうしているうちにドイツに戻る。もう一度液体薬を耳の中に入れお湯で洗い流した。「何回やってもあかんやんけ」。これはやっぱりドイツが嫌いなんとヨークから来てる神経的なもんなんやと益々不安になってきた。

耳が難聴になると、人間本間に不安だらけになる。乗り物を乗っていても前以上に気分が悪くなる。タダでさえ小さな声のヨークがもっと聞こえなくなってきた。気分がすっきりしないと、喧嘩の数も多くなる。こりゃいかんとダメ元でもう一回ドイツの病院に行く事にした。

電話でアポを取ったが、一週間後とナースに言われた。そこをなんとかと強引に翌日にアポを入れてもらった。

受付に(ここは顔で採っている?と思わされそうな)奇麗なお姉さんがたが10人以上いた。マニュアルに忠実な礼儀正しい態度ではあるがマクドナルドで見られるようなスマイルは一つもなかった。

歯医者さんのような診療室に通された。業務用診療椅子の横に医療用デスクがありその上に七つ道具?(いやいやピンセットだけでも100種類あったかもしれない)大小形の違う色々な道具が奇麗にズラーッと正確に並べられてあった。

上下スーツになった白衣のドクターが登場。テレビERに出てきそうな俳優のようなドクターだった。「2週間も右の耳が聞こえ難い。ゲップや欠伸をすると痛い感じがする。液体洗浄剤を2度使ったが何も効果がない。モロッコとマドリッドで2回ほど治療を受けた。」と簡単明瞭に症状を伝えた。ふむふむとドクターは私の説明を聴き、「ではまず耳の中を拝見しよう」と私の右耳の中を拡大鏡を浸かった覗き込んだ。するとピンセットでニョキと取り出し私の目の前に見せてくれたのは2週間前に私が入れた綿棒の頭のコットンだった。まるで神隠しに会い行方不明になったコットンが警察に保護されて申し訳なく私の手元に返ってきたようなご対面。「きみ、いままで何処に行ってたの?」

たかが綿棒のコットン擬にしめて200ユーロ近く払った私。保険会社の人、払ってくれるのかしら。

でも世の中にはヤブ医者が結構いるもんだと感心したね。さっすがドイツのお医者さん、あっぱれなお手前でした。
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by keibunkin | 2008-07-01 13:40 | モロッコ