モロッコでの生活、ほんで商売?


by keibunkin

モロッコでかばん無くす?(4)

前を必死に走っているモロッコ君を後に私も来た道を歩いて戻る。

やっと交差点の所まで戻って来た。

モロッコ君が大通りの手前で、そこには給油所があるのだが、モロッコ君はその辺のおっさんと話をしている。(君はまた誰と立ち話をしてるんや?カバンはどないなってんねん?)私が近寄って、「で?」と聞いてみると、「タクシーは既に出てしまっている」と答えた。

ナンバープレイトは覚えているか?と近くにいたおじさんに聞かれて「そんなん覚えてる筈ないやん」と鼻息で答えてやった。(誰がいちいちタクシーに乗る度に車のナンバープレート覚えてる奴がおるねん。そんな事するくらいならカバンを忘れてこうへんわい。)

さて、考えるとさっき私達が乗ったタクシーはサラとメディナの2地点をを行ったり来たりしているやつで、ラッキーであれば10分後にまたここに戻ってくるはず。

私はなんとなくタクシーの運転手の顔覚えているので、とりあえずモロッコ君に直ぐにマリアンを迎えにいくよう、そのあいだ私はここで待ってタクシーを探すと告げた。

10分待った。辺りはあっというまに明るくなっていて車の数もかなり増えている。1回の信号が変わる度に約20台のタクシーがここでUターンをしてサラに戻っていく。私はたぶん300人近くの運転手の顔ここで見ている。 タクシーに乗っている一人一人の運転手の顔をジロジロ見ると、向こうもなんやなんやと私の方をじっと見ているみたいだ。私の記憶では私達の乗ったタクシーの運転手は若かった。最初、相乗り乗客を待っていた時、運転手座席には人が居なくて、車の外には男の人が2人立っていた。2人とも若くて、小奇麗な格好をしていて私は誰が運転手か判らなかった事を覚えている。それからしばらくして車が一杯になると運転手が私の横に座った。私とモロッコ君は前の座席に座ったので運転手の横顔が視界に入ってた。たしか20代だったようだと思う。珍しく若い運転手だったので印象がある。黒いジャケットだ。帽子かジャケットのフードを被っていたような。髪型がまったく記憶にない。車の前の台に黒いタオル地の敷物が敷いてあって、その敷物がちゃんとエアコン空気孔の形に沿ってカッティングがされており、オレンジの色でメルセデスベンツと印字されていたのも覚えている。

手がかりはそれだけ。

私は道路の真ん中にあるコンクリートで高くなった分岐路に立った。ここからだと信号を待つ運転手の顔も前のテーブルクロスもちゃんと見える。私が一人ずつ彼らを見るより彼らが一人ずつ私を見て行った。そやけど、若い運転手なんてほとんど見なかった。皆おっさんで、口ひげを生やしていて一見ホセイン風のおっさんばっかりだった。

コンクリートの上をずっと立っているため足先がかなりカチンコチンに冷たくなって来た。モロッコの冬は朝夕とかなり冷え込むのよ。血行を良くするよう足踏みをしてみた。みんな私を変な中国人と見ていただろう。

待つ事約30分、どうみてもさっきのグランドタクシーがサラからメディナまで2往復もしている時間が過ぎた。あの運転手は一体どこにいったんだろう?朝ご飯でも食べにいったのだろうか?道を変更してどっか他の場所に稼ぎにいったのだろうか?それとも遅番で私達を最後に朝晩の人とシフトしたのだろうか?

1時間近くなってモロッコ君がマリアンを連れて戻って来た。マリアン、おつかれさま。夜行バスだったので彼女も疲れている様子。バスの中では殆ど寝れなかったらしい。

とにかくその場は諦めて私達はマリアンを連れて朝食を食べに近くのピザレストランに行った。

それから9時になり、3人で区役所に行き、書類に3人のサインをして公認印鑑をもらいに行った。この為にわざわざマリアンが10時間近くもバスに揺られワルザザートからラバットに来ている。本間に難儀な国や。

カウンターにモロッコドレスを着て、頭にスカーフを巻いた太った女の人が2人座っていた。どう見ても八百屋のおばさん風のその女性がここで働いている人らしい。カウンターの向こう側に座っているから実際顔しか見えない。そのカウンターの前に申請に訪れた人が数人並んでいる。おばさん達は彼らから書類をもらって、パパパッと内容を読んだ後、署名人本人とIDを確認してそれがオリジナルであるとことを確認すると収入印紙を貼ってハンコを押す。

ここモロッコでは政府に提出する書類はいちいち収入印紙と公認印鑑を押してもらわないといけない。悪徳モロッコはこんなところで儲けている。

モロッコ君が書類を渡して、署名する3人がここにいると説明した。すると太ったおばさんはこの書類はオリジナルではありませんと突っ返した。書式のカラーが白黒なのでオリジナルではないと抜かしやがる。あたりまえやん、インターネットでプリントアウトしたものだから色は白黒になってどこが悪い!とまたしょうもない事で揉める事約20分。生憎隣に座っていたもう一人のおばさんが「私がハンコ押してあげるわ」と、また訳の分からんことを言うてくれはったので、とりあえずここは通過する事ができた。

モロッコにいると、何時何時どんなことで足かせをくらうか判ったもんではない。

さて、書類もそろったのでモロッコ君は再び交通局に戻る事になった。一泊ここ首都ラバットに泊まって行く?と聞いてみたが彼女は夜のバスで真っすぐワルザザートに帰るというので、それまで時間稼ぎをすることになった。

再び朝いたピザレストランに戻り、今日1日の作戦会議を練る。私の目下の任務はどうにかしてカバンを取り戻す事だ。幸い大事な書類、パスポート、財布は全て私のバックパックに入っていて、あの紅いボストンバックには何も大事な物は入っていない。薄手のダウンジャケット、ランニングソックス、お気に入りの下着、洗面道具。他人にとっては金目のものは何もないが、私はあの紅いボストンバックが気に入っていた。かれこれ10年も愛用している。韓国で買ったパチもんのOutDoorバック。昔飼っていた愛犬マルちゃんがカバンのひもを半分ほど食いちぎった跡のある思い出のあるカバン。

他人の手に入っても何の価値もないカバンだけど私にとっても大事なカバンなのよん。

なんとかして、取り戻さなくては。

何時もの手やけど、この方法しかないでしょう、

賞金。

これが一番手っ取り早い。

で、ビラ作りを始めました。

つづく
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by keibunkin | 2009-01-15 18:44 | モロッコ