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モロッコでの生活、ほんで商売?


by keibunkin

モロッコでかばん無くす?(5)

A4の紙を4つに割り、そこにカバンの絵、賞金500DH、モロッコ君の電話番号、「タクシーに残した紅いカバンを探す」をフランス語、アラビア語で書いた。50枚刷って4つに切って、全部で200枚。

半分の100枚をモロッコ君に渡してサラのタクシー乗り場に。半分の100枚を私が持ってここでバラまく事になった。 タクシーの運転手から聞いた話によると、全ての忘れ物は一応タクシー警察局に届けられ、その警察局は5時に終うらしい。なので、モロッコ君はサラの警察局、私とマリアンはラバットの警察局に行き6時にまたここピザレストランで落ち合う事にした。

さてビラ配りが始まる。
最初マリアンは手伝うと言っていたのだが、やっぱり長旅で疲れていたらしくピザレストランで休んでおくと言った。

私は所定の配置に向かった。さっきのユータン地点の分岐帯である。

バラまくのは簡単だった。変な中国人女性が(私はそのとき熊のような黒い毛の長いジャケットを着ていた)道の真ん中で紙を持って立っている様子にみんな何ごとかと珍しがってタクシーの中から手をだしてくれた。
まるでそれはそれぞれが私に向かって「ハイ5!」と子供のように挨拶してくれるかのようだった。近くにいた物売りのチビッコも手伝ってくれて見る見るうちに手の中にあったビラが減っていた。途中あっというまにビラがなくなってしまうんではないかと私もケチってしまい、最初はおのおのの運転手にあげてたけど、この人は辞めとこう、この人にはあげとこう、と選り好みをしてビラ配りの時間を長引かせてみたりもした。

5分で終りそうだったビラ配りをなんとか20分少々で配り終えた。最後の6枚はまた刷り直しする必要があるかもと大事にリュックの中にしまった。

配り終えてピザレストランに向かう途中、その辺に泊まっていたタクシーの運転手達が手を振ってくれて「カバンは見つかったか?」と心配してくれた。モロッコ人、普段道歩く事に「中国人?日本人?」とシツコク声かけてくるけど、こういうときの親近感は私は大好きだ。うわさはとにかく広まってくれてる模様。ビラの効果を期待しよう。

午後5時。警察に言われて忘れ物が届けられているかどうかマリアンと一緒に確認しにいった。残念ながら警察局の部屋に置かれた幾つかのカバンの中には私の紅いボストンバックはなかった。サラに言ったモロッコ君も戻って来てくれて「なかった」という。

あーあ、私の紅いカバン、どこにいったんやろう。中身は私の着古した靴下やt−シャツなんかやし、拾たってそんなに高く売れるもんでもないのになあ。

せっかくラバットにいることだし、とりあえずマリアンとモロッコ君を連れて中華料理をたべに行く事にした。彼らは生まれてこのかた中国料理を食べた事がないという。私はもう久しぶりにアジア料理が食べれて胡散ばらしができることに期待。

さてどうやって中華料理やをさがすのか。以前イクコ氏と着た時にはホテルの受付が電話帳で探してくれた。ここには電話帳はないと言われピザレストランのボーイやシェフに中華料理屋を聞くが誰も曖昧な返事しかかえってこない。

ピザ屋をでて取りあえず歩く事に。このピザ屋の前では仮設の遊園地があった。グルグル回る吊りブランコに乗ってきゃーきゃと嬉しいのか怖いのか悲鳴が聞こえる。夕焼けの空と遊園地のネオンの色とかが混ざってその場の配色は本間にきれかった。

モロッコ君は「誰か乗り物から落ちた!」という。私も大げさに「きゃあー」と叫ぶ。みると男の人がまだ空中でグルグル回っているブランコの下で4つんばになっていた。

あれまあ、本間に落ちたんやわ。大丈夫かいなと、心配してたらだれか助けにいったみたいで彼をまずはその回転乗り物台から引きずり下ろした。結構乱暴に引きずり下ろしたのはきっと上にグルグル回っている乗り物に当たらないようにするため早く台から下ろそうとしたのかと思っていた。

でもそのあと、その落ちた人を3・4人掛かりで近くに居た物陰に素早く運び込み、いきなりよってたかって蹴り始めた。

なんのこっちゃ?この人さっき乗り物から落ちてんで?と訳の分からんこっちゃ。

酔っぱらい?どつかれて、蹴られてぼこぼこにされつつも、その落ちた男はどっこかに逃げて行った。

全く訳が分からん。なんちゅう所や、モロッコは。

つづく
by keibunkin | 2009-01-16 20:03 | モロッコ